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『今昔物語』山野楽器スタッフ編 加治雄太さん(ジャズギタリスト)

■明治大学 ビッグ・サウンズ・ソサエティ・オーケストラ
2005年 第36回大会出場(優秀賞受賞)

※2007年7月、山野楽器社内の冊子に寄稿された文章を当時のまま掲載しています。(現在は退職し、ジャズギタリストとしてご活躍)
学生ビッグ・バンドの関係者にとって、365日で最も熱い2日間、それが「ヤマノ」です。

私の所属していた明治大学ビッグ・サウンズ・ソサエティ・オーケストラはコンテスト入賞常連バンドの一つ。私が1年生の時にはコンテスト史上初の4連覇を達成しました。そんな先輩たちの姿を見ながら、いつかは自分もと思い毎日遅くまで練習に励んだのを、ついこのあいだのように思い出します。

3年生の時にようやくレギュラーバンドに上がり、出場した念願の「ヤマノ」。舞台のすぐ前にはOBの方や後輩が集結し大声援が飛び、目の前には2000人の大観衆が広がります。ひと夏の15分の演奏のために準備、練習、話し合い…一体どれだけの時間を費やしたのか、数える気にもなれないくらいです。

本番では情けないことに頭が真っ白になり、普段はたいしたことのないような失敗を数多くしてしまいました。コンテストの結果は3位。メンバー誰一人納得がいく結果ではなかったけれど、後でビデオを見たら満面の笑顔で演奏をしている自分がいました。あんなに緊張していたのに…これもコンテストが持つ魔力なのかも知れません。

卒業した今でもビッグ・バンドで知り合った仲間と交流がありますが、その度に4年間ビッグ・バンドをやって本当によかったと思います。様々な機会を通して他大学の友人も多く出来ましたし、何より音楽を共に楽しみ、また音楽を通じてコミュニケーションが取れたことに喜びを感じます。4年間の大学生活には一片の悔いもありません。ヤマノは間違いなくその中心にあるものでした。

ジャズというのはおもしろいもので、同じ曲を演奏しても100のバンドがあれば100通りの解釈があり、100通りの演奏が生まれます。そこに堅苦しいルールはありません。要はカッコ良ければいいんです。どうやったらカッコイイ演奏が出来るか、どうやったら自分達の個性を100%表現出来るか、それを突き詰めたバンドが毎年入賞しているように思います。どこよりもゴキゲンにスウィングすることを目指すバンドもあれば、燃えるようなラテンナンバーを決めるバンド、ダークで妖しい雰囲気をかもしだすバンド、とにかく会場を盛り上げるバンド…様々なバンドがあります。15分という短い時間で、それでも何かを観衆の心に刻んでやろうという気概に溢れたステージを見ると、自然と胸が熱くなります。音楽を愛し、伝えたいという想いが強いからこそ聴いている側をも熱くさせる演奏が生まれるのでしょう。

今年ももうすぐあの熱い夏がやってきます。本番で大失敗をした私が言うのもなんですが、学生の皆さんには失敗をしてもいいから思い切った演奏をして欲しいと思います。そうすればきっと何かが伝わるはず…

40バンドの40通りのドラマ、熱い演奏を期待しています。私も学生の想いに負けないよう、全力でサポートしたいと思っています。

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